携帯写真メールとブログの出会い
〜IT技術の新たなインフラを目指して〜


                                                   株式会社 昭和企画
                                                   代表取締役 榎本 和男
ブログ配信

 2005年4月、IT分野では第三世代携帯電話の発売を契機として複数の技術の出会いがありました。
従来の情報技術は管理業務を中心に大型表示機器、ETCなどで電子媒体、省力機器へと導入されてきました。 次なる期待は個人情報保護法下での情報の一元化による細かなサービスでしょうか。
今一度点検する中で最新IT技術をご紹介いたします。

インフラとしての携帯メール
 携帯電話の普及は便利さから固定電話を追い抜き、携帯電話人口普及率67.1%(04.3)、固定電話人口普及率39.2%(03.12) と圧倒的に増え、インフラとしての地位を確立しました。この普及率は「広告印刷物の郵送」を根底とした顧客管理手法を大き く変える動きとなりました。
メールアドレスではパソコンアドレスがありますが、メールマガジンの普及やウイルス、いたずらメールの氾濫から読まれる ケースが少なくなる傾向でした。お客様に直接届く携帯アドレスが価値を高め、新たに携帯メールでの情報配信を誕生させました。

インフラとしての成長は「いたずらメール」として社会問題化して、携帯電話からの発信は1回5件に規制されました。 しかし、規制によりインフラとしての価値が下がったわけではなく、逆に高い評価を得ることになりました。 ここに技術の進化を生む土壌が生まれたのです。
一方、『個人情報保護法』は目的外利用や個人情報管理が厳しくなりました。郵送目的の個人情報はどのような利用法があるか を問われ、見直し機運も出始めました。インフラとしての携帯アドレスが注目を集めるようです。

第3世代携帯電話〜時間を超越

携帯電話は音声通話からメール機能へ、カメラ付携帯電話と進化しました。そして、第3世代携帯電話の技術開発競争はテレビ機能、音楽配信機能、デュアルアクセス機能、カメラ機能など大幅に向上しました。特に、カメラ機能はデジタルカメラをも飲み込む勢いで、300万画素、SVGAまで進化を遂げました。今後は携帯電話で撮影して送信することは「時間を超越すること」を可能にして、多くの難問を解決する動きさえ秘めています。

何かが足りない・・・ブログ
 カメラ機能の向上は大衆化の動きを促進して次なるものを探し始めました。それは写真や連絡、報告などの「情報の共有化」です。インターネットは情報の共有化を促すことで進化を遂げました。もっと簡単にホームページができたらと生まれたのが7〜8年前からある「電子掲示板」でブログの初期タイプです。  その後、ブログは公開型ブログとして成長を遂げ、今では自己主張や考え方を展開する「ブロガー」を生み、文化として独自の展開を遂げました。これが第2期ブログ時代です。

セキュリティ付ブログの誕生
 一方、公開型ブログが繁栄を遂げる影で非公開型ブログはイントラネット内で企業内連絡システムとして静かに、 深く浸透していました。場所、時間を越えて情報を共有する「電子掲示板」機能をインターネット上で可能にすれば 新しい文化が生まれるはずです。
 弊社では、偶然にも5年前から社内掲示板として開発して運用していました。しかし、ホームページを立ち上げて見なけ ればなりません。「出張先でもっと便利に連絡事項が手元にあれば」という動機から送信機能を付加し、ブログを書き込ん だ時点でメール送信する技術を開発しました。
携帯メールに写真付で送るだけで日記形式のホームページとなります。専門家に依存することなく、HTML言語で作成し、 アップロードが不要になりました。携帯・PCメールやブログ直接入力で自由自在となりました。

携帯とブログの融合技術
 携帯メールでブログを作ることが可能になると次なる技術開発は配信機能となります。携帯メール規制は1対5、 メールソフトによるグループ配信は1対Nです。しかし、グループ内にアドレス変更が1件でもあれば全数が不通になります。 これを解決しなければ多くに配信できません。
一斉同報配信に代わるのは順次同報配信ですが、多くの時間を必要とします。因みに、2千件程度で2時間です。 時間差があっては情報の遅れがお客様の差別になりかねません。

サーバーの違い〜携帯電話
 PCサーバーは全世界を相手としてSPAMメールやウイルス対策に時間を費やします。携帯サーバーは「先入先出」 を原則としてサーバー内滞留が少ない設計です。携帯メールを自社サーバーから携帯サーバーへ送ることで『瞬時配信』 を実現しました。トラブルの少ない携帯電話サーバーを経由することで、1対5規制をクリアして1対Nを実現しました。

着信案内から内容配信へ
 「新聞配達をしないと90%が解約する」という考え方があります。携帯メールでブログに掲載しても見てくれなかったら 役に立ちません。着信案内ではなく、掲載内容を配信すれば多くの問題は解決します。このようなことから実現したのが ブログ掲載時自動時配信です。投稿後に配信する時間は15秒程度です。
次は、「ブログへメール投稿したけど・・・」という心配の声です。これを解決したのが投稿者への確認メールです。 やはり、15秒程度で確認メールがあります。

携帯で写真が見たい
 携帯電話技術の進歩は限りなく、写真もVGA、SVGAになりパソコンで見るブログでは大きく、くっきりと写ります。 しかし、携帯電話で写真を確認したいケースがあります。携帯電話の設計ではVGA、SVGAを携帯で見るという考え方ではなく、 パソコンで見る設計です。難問を一つずつ解決しなければ歴史の風雪に耐えられません。

システムからサービスへ
 ソフト開発を20数年携わっての反省は『鯨は養殖されている』ことでした。ほとんどない隙間を探してソフト開発をしても 販売という大きな壁に突き当たります。その反省が低価格のサービスとして最新バージョンを提供するものです。 個人利用は月千円の交換日記から企業向け月3千円、営業支援月1万円と限りなく使いやすい設定です。 しかも、機器類は既存のものを使用しますので無駄な費用が不要となりました。

報連相システム〜日常から災害時まで

 写真付携帯メールで投稿、ブログに時系列に一覧表示、投稿時瞬時配信、セキュリティは認証番号と暗証番号という機能 はあらゆる分野で利用できます。これが基礎技術としての「報連相システム」です。
注目されたのは災害時の安否確認メールサービス、緊急情報配信サービスでした。しかし、緊急時利用の弱点は、 「日常的に使用していないので使えない」のです。日常的には報告・連絡・相談に使用して、災害時には緊急情報配信に利用します。